定款に盛り込むべきこと-許認可が必要な業種で起業する場合
法人の設立にあたってその骨格を規定するのが定款です。株式会社と持分会社、社団法人など、法人の種類によって求められる内容が少しずつ異なりますのでここでは株式会社に焦点を当てましょう。
会社法に株式会社の定款に記載すべき内容が定められています。必ず記載が求められる「絶対的記載事項」と法的効果を発揮するためには記載が必須となる「相対的記載事項」に大別されます。
前者には、①目的 ②商号 ③本店の所在地 ④設立に際して出資される財産の価額またはその最低額 ⑤発起人の氏名または名称及び住所 の5項目があります。
この中で特に注意が必要なのが「目的」です。建設業や古物商営業などの事業では、必要な許可申請の際に定款の目的にそれらの事業を行うことが記載されているかどうかがチェックされます。もし「目的」からそれらの事業を行う趣旨が読み取れない場合は、申請が受け付けられないか、便宜的措置として定款の変更登記を行う旨の念書を求められることがあります。後から定款変更する(「目的」の項に追記する)ことはもちろん可能ですが、その分の手間と登記費用が発生してしまいます。ですから会社設立時点でそのような業種で営業するつもりがあるのであれば、最初の定款(原始定款)の段階から記載しておくのがよいでしょう。
なお、建設業については一定の条件を満たす小規模な工事を施工する際には必ずしも建設業許可が必要でない場合があることを申し添えておきます。