補助金あれこれ_連載第5回:補助金の資金繰り対策――「後払い」のリスクを回避するために

【要約】

「補助金が出るから大丈夫」という考えだけで高額な設備投資をするのは危険です。補助金は原則として「後払い(精算払い)」です。事業期間中の資金繰りや、銀行融資との連携について、絶対に知っておくべきポイントを解説します。

1. 手元資金は必ず用意する必要がある

補助金の申請から入金までの一般的な流れを整理しましょう。

  1. 申請し、採択される
  2. 自己資金(または融資)で設備を購入し、全額支払う
  3. 事業を完了させ、報告書を出す
  4. 数ヶ月後に、ようやく補助金が入金される
    つまり、設備代金が1,000万円で補助率が2/3の場合、最初に1,000万円を自分で用意しなければなりません。後から約666万円戻ってきますが、その間のキャッシュフローを確保しておく必要があります。

2. 金融機関との事前の調整が必須

多くの場合、補助金の対象となる投資は数百万〜数千万円規模になります。これを自社資金だけで賄うのは難しいため、銀行からの「つなぎ融資」を受けるのが一般的です。

ここで重要なのが、補助金の申請段階から銀行に相談しておくことです。採択されてから慌てて銀行に行っても、審査に時間がかかり、補助金の事業期限に間に合わなくなるリスクがあります。「採択されたら融資を検討する」という内諾をあらかじめ得ておくことが、プロジェクト成功の条件です。

3. 収益納付という制度への理解

もう一つ注意したいのが、補助金を使って大きな利益が出た場合、受け取った補助金の一部を国に返還する「収益納付」という仕組みがあることです。

これは「税金で儲けすぎた分は返して、他の支援に回しましょう」という公平性の観点によるものです。資金計画を立てる際には、こうした細かい制度まで把握しておく必要があります。行政書士は、単なる書類作成だけでなく、こうした財務上のリスクについてもアドバイスを行い、貴社の安定した経営を守ります。